鹿児島に戻り、陶芸家として独立して最初に作ったのは、白磁のテーブルウェアでした。 型から抜いた素地は外で乾かすんですが、その時に桜島の火山灰が降ると、焼いた際、表面に黒いポツポツが表れてしまうんです。 そんな白磁の大敵である火山灰を釉薬にしてみようと、ある日思い立ちます。 早速、降り積もった灰をホウキで集め、ビニールに詰めて工房に持ち帰りました。 ベースにしたのは、黒や茶色に発色する鉄釉と呼ばれるベーシックな釉薬。 加える火山灰の量や焼く時の温度などを納得がいくまで、色々と試しました。 ASHシリーズにはこの火山灰の釉薬が使われています。スレートグレーに発色した鉄釉の中で、星のように散らばる金属質の煌めく釉薬。 焼く際に内と外との釉薬と干渉し合ったり、窯の中に置く位置によって、個々に色味が変わるのは、工芸的な面白さ。自分好みの風合いを見付けるのも、楽しみの一つです。
桜島の火山灰
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DATE
Sept 29, 2021
LATEST JOURNAL
Shuo Iwakiri
陶芸というと、人里離れて、ひとり黙々と勤しむものというようなイメージをされがちだが、「ONE KILN」は、鹿児島市の繁華街から車で10分ほどの住宅街にある。僕が陶芸を志したのは24歳の頃、気になる作家に電話をしてみたり、京都の職業訓練校を受けたり、ジタバタと動いたけれど全滅。その未来に閉塞感を感じた。
UpcycleLino × ONE KILN
ジブリの紅の豚に出てくる飛行艇製造会社「ピッコロ社」をご存知だろうか? 面倒見の良いピッコロのおやじさんは、不景気で男たちが出稼ぎでいないため、親戚中の女性を呼び集めて工場を稼働させる。
Ash-Stone Series
陶芸は、窯から出すまで何があるかわからない。 季節によって変わる生地の収縮や乾燥時間や釉薬の厚み。 土は、焼き上がるまでに各段階で収縮し、焼き上がりの大きさは約10%も小さくなる。窯の中でも、器たちは、過酷な試練を課されているのだ。
Blue Bottle Coffee
ブルーボトルコーヒーとコラボレートしたコーヒーマグ「KAORI(カオリ)」と「AJIWAI(アジワイ)」が発売致しました。